ゆっぽ:
やまと〜、ちょっと聞いてもいい?
このあいだ過去問を解いててさ、「共有者の一人が行方不明のとき、他の共有者が勝手にその持分を譲渡できるか?」って問題があったの。
でね、裁判所の許可で譲渡できるって思ったら、×(バツ)だったんだよ〜!
やまと:
ふわ〜ん、それはひっかけ問題だねぇ〜。
実はね、行方不明の人=「不在者」には、ちゃんと保護のルールがあるんだよ。
ゆっぽ:
へぇ〜、そうなんだ!
じゃあ、たとえ裁判所が「OK」って言っても、すぐに譲渡ってできないの?
やまと:
うんうん。譲渡できる“日”が来るには、いくつかのステップを踏まないといけないんだ〜。
これ、実務でもけっこう大変でね…実際に何年もかかることもあるよ。
ゆっぽ:
えぇーっ!
◆ やまとのぽふぽふ話:行方不明のふくがめさんと、野うさぎさんの願い
ある日、藍の里のたんぽぽの庭にて──
野うさぎさんは、ふっくら畑の一角を整備したくて、どうしても隣の土地を使いたいと考えていました。
でもその土地、ふくがめさん・くまさん・野うさぎさんの三人で共有していたのです。
ところが…
野うさぎさん:
「ふくがめさん…ずっと旅に出たまま、もう何年も連絡が取れてないのよ…」
くまさん:
「わしらの畑も広げたいし、ふくがめさんの持分、だれかに譲れないものかねえ?」
そんなある日、野うさぎさんは、こっそり学び舎でやまとに相談しました。
野うさぎさん:
「やまと~、ふくがめさんの持分、こんたさんに譲っちゃダメなの?」
やまと(龍):
「ふわ〜ん、それはダメだよ〜。
裁判所だって、勝手に譲渡なんて許さないんだ〜」
◆ ステップぽふぽふ解説!
【① 不在者段階】
行方不明のふくがめさんは「不在者」として扱われるよ。
👉 この段階でこんたさんに譲渡はほぼ不可
【② 失踪宣告(行方不明から7年経過)】
-
家庭裁判所で「死亡したとみなす」宣告が出される
-
相続が開始!
👉 相続人がいれば、その人が自由に譲渡OK
【③ 相続人がいない場合】
-
相続財産管理人が選ばれる
-
相続人や受遺者などが現れなければ
→ 最終的には国庫に帰属!
👉 ただし、その前に裁判所の許可で第三者へ譲渡される可能性もあるよ
野うさぎさん:
「そ、そんなに時間がかかるの〜!」
やまと:
「ふわ〜ん、現実には10年近くかかることもあるんだよ。
法律上は道があっても、すご〜く遠いみちなんだ…」
◆ 補足:行方不明でも勝手に分けちゃダメ!
共有者のひとりが行方不明でも、「じゃあ2人で分けよう!」とはいかないのが民法。
👉 不在者の財産は、家庭裁判所の監督のもとで保護されるため、勝手な分割・譲渡はNG!
◆ 民法のぽふぽふポイント
ゆっぽ:
…まさか一つの持分の譲渡で、こんなにたくさんの手続きがあるなんて思わなかったよ〜。
やまと:
ふわ〜ん、民法って、やさしさの裏返しでもあるんだよね。
行方不明の人の財産を、ちゃんと守っておこうっていう配慮なんだ〜。
ゆっぽ:
うん、たしかに。
「いない人だから無視してOK」ってならないのは、ちょっとほっとするかも…。
やまと:
そうそう。
そして、それを知っておくことが、行政書士としての“やさしい備え”になるんだよ♪
ゆっぽ:
なるほど〜。やっぱり、ぽふぽふと学んでいくのって大事だね。
今日もありがとう、やまと!
やまと:
ふわ〜ん、また一緒に歩こうね。ゆっぽちゃん❣️
ではまた藍の里のこみちでお会いしましょう♪