ゆっぽ
やまと〜、この前「登記がないと第三者に対抗できない」って学んだけど…
「背信的悪意者」って人には登記がなくても勝てるって本当なの?
やまと
ふわ〜ん、するどいところに気がついたね〜!
そう、それがまさに民法177条の大事な例外なんだよ。
◆ やまとのぽふぽふ話:たぬきのぽんきちとズルい登記
ふっくら畑のはずれにある、山のふもとの小さな土地。
最初にその土地を買ったのは、ふっくら組の野うさぎさん(B)だったんだ。
だけど、くまさん(A)は登記を移してなくて…
するとそれを知っていたたぬきのぽんきち(C)がくまさんに近づいてこう言ったの。
「この土地、ぼくが買うよ〜!」
ぽんきちは、野うさぎさんが先に買っていたことを知っていたのに、
わざと知らないふりをして登記を自分の名義にしちゃった。
さらにこんた(D)という善意のキツネさんに、その土地を転売してしまったんだ。
ゆっぽ
わあ…ぽんきち、それってズルすぎない?
やまと
ふわ〜ん、まさにそれが「背信的悪意者」なんだよ。
◆ 民法177条のぽふぽふポイント
原則:登記を先にした方が、第三者に対して「この土地は私のだよ!」って主張できる
でも例外:
→ 登記をとった人が「背信的悪意者」だったら、
→ 登記があっても勝てない!つまりこの場合は野うさぎさんが勝つよ。
背信的悪意者とは?
前の取引(今回でいえば野うさぎさんの購入)を知っていて
その信頼関係をわざと壊すような登記をとった人
ゆっぽ
でもさ、さらに譲渡されたこんたさん(D)はどうなるの?
やまと
それも大事なポイントなんだ〜。
裁判所はこう言ってるよ(最判 平成10年2月9日):
背信的悪意者から権利を取得した第三者が善意であれば、保護される。
背信的悪意者自身は民法177条上の第三者として保護されないけど、
その人からさらに譲り受けた人が善意なら、
「新たな第三者」として保護される、ってはっきり言ったの!
💡 背信的悪意者Cから権利を得たD(善意)には、
野うさぎさん(B)は対抗できない!!
(=負ける!!なぜなら登記をしてないから!)
◆ 補足:どんなときに「背信的」とされるの?
単に「知っていた」だけじゃなく、
「相手を出し抜く意図」や「ズル」があるかどうかが大切!
裁判では、その人の態度や状況を見て判断されるよ。
ゆっぽ
なるほど…登記があっても、ズルはバレちゃうんだね。
信義って、法律の世界でもちゃんと大切にされてるんだなぁ。
やまと
ふわ〜ん、その通り〜。
ズルしない、やさしい心が勝つんだよ。
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